「最近果物ないね」値上がりに気づかなかった夫。レシートを並べた日曜から変わった家計
果物が出てこなくなった食卓
夫と息子との三人暮らしです。生活費は結婚したころから分担していて、私が食費と日用品、夫が家賃と光熱費を払っていました。
ところが少しずつ食料品の値段が上がり、同じように買っているつもりでも、私が負担する額は増えていきました。
一方で、玄関には夫宛ての箱がよく届くようになりました。
趣味の道具で、月に二つ、多いときは三つあります。
「また届いたの?」
「うん。これは前から欲しかったやつ。しばらく買わないよ」
「それ、この前も聞いたような気がする」
そう言うと、夫は少し困ったように笑いました。
私も夫の趣味をやめてほしいわけではありません。ただ、食費が予算を超えた月は自分の手元のお金から足していたため、買うものを選ぶようになっていました。
肉は安いものを選び、果物は特売の日だけにしました。
ある日の夕食後、夫が聞いてきました。
「そういえば、最近果物ないね」
「高いんだよ。ほかのものも値上がりしてるし」
「そんなに変わった?」
「一回の買い物だと分かりにくいけど、一か月で見ると結構違うよ」
夫はそこで初めて少し考え込んでいました。
一年分を並べて初めて見えた金額
次の日曜、私はダイニングテーブルに一年分のレシートを出しました。
「ちょっとだけ付き合ってくれる?」
「家計の話?」
「うん。一回、一緒に見てほしくて」
夫はテレビを消して向かいに座りました。
私が月ごとの食費を確認していると、夫も自分の明細を持ってきました。せっかくだからと、趣味に使った金額も一緒に拾っていきます。
何か月分か計算したところで、夫の手が止まりました。
「え、ちょっと待って。こんなに使ってた?」
「一個ずつだと、そこまで多く感じなかったんじゃない?」
夫はもう一度電卓を打ち直しました。
「……これ、思ってたより使ってるな」
しばらく明細を見たあと、夫が口を開きました。
「趣味に使う額、決めようか。このままだと俺も分からなくなる」
「全部やめなくてもいいと思うよ」
「うん。だから上限だけ決めたい。それと、食費のほうも俺が少し持つよ」
話し合って、夫の趣味代には毎月の上限を設け、その分、これまで私だけが負担していた食費にも夫が一定額を出すことにしました。
翌週、買い物先で久しぶりに果物をかごへ入れました。
夕食後に出すと、息子が「これ食べていい?」とうれしそうに聞きます。
夫も一つ手に取りながら言いました。
「来月も、明細一緒に見ようか」
「うん。そのほうが私も楽かも」
何かを我慢させたかったわけではありません。どちらか一人だけが家計の変化を抱え込まず、二人で数字を見る。それだけで、買い物をするときの気持ちはずいぶん変わりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














