「中古物件見つけたんだって」新築の我が家近くに引っ越そうとする義母。だが、夫の一言にイラッとしたワケ
鳴りやまない着信
臨月が近づいた頃、私のスマートフォンには毎日のように、義母からの着信が並んでいた。
用がなくても、週に何度もかかってくる。その回数を見るたび、漠然とした不安が胸に残った。
そんなある日、夫が新居の話のついでに、こう言った。
「母さんがさ、新築のすぐ近くで中古物件見つけたんだって。引っ越そうとしてるみたい」
手にしていたコップを、危うく落としかけた。土地探しから内装まで、義両親には全部話してきた。
それなのに、もう着工目前のこの時期に、すぐそばへ越してくるというのだ。
軽すぎる返事
「週に何度も電話してくる人が、すぐ隣に住んだら、どうなると思う」
私が不安を口にすると、夫はあっさり笑った。
「うちの親は過干渉じゃないから平気だって」
その軽さが、何より怖かった。彼には、毎日のように鳴る着信の重さが、まるで見えていない。
「平気かどうかは、毎日その家で暮らす私が感じることだよ」
大事なことを、こんな調子で決められてしまう。妊娠後期で、本当は出産だけに気持ちを向けたい時期なのに。悔しくて、その夜は声を殺して泣いた。
「私は、適度な距離があるほうが安心して子育てできる。隣に住むのは、どうしても無理」
はっきりそう告げると、夫はようやく黙った。
引いた一線
それから幾晩も、私たちは話し合いを重ねた。途中で投げ出したくなる夜もあったが、ここだけは引けないと決めていた。
「あなたのお母さんに『引っ越しは無しで』って伝えるのは、あなたしかできない」
「……わかった。俺から話す」
渋っていた夫が、最後にはそう約束してくれた。後日、夫が自分の口で義母に伝え、隣への引っ越しの話は、きれいに無くなった。
新居での暮らしが始まった今、私は驚くほど穏やかに過ごせている。義両親とは、年に数回顔を合わせるくらい。
「この距離が、一番ちょうどいいね」
夫も今は、そう言って笑う。あの時、泣きながらでも一線を引いておいて、本当によかった。家族の境界線は、誰かに引いてもらうものではなく、自分で守るものなのだと知った出来事だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














