
2026年のゴールデンウィークを前に、高騰する旅費が家族の絆を試しています。親心ゆえの過分な援助が、老後の生活設計を揺るがしかねない実態が浮き彫りに
カレンダーが大型連休の近づきを告げるたび、複雑な心境に陥る高齢者は少なくありません。地方で暮らす70代のマサ子さんもその一人です。遠方に住む娘夫婦と3人の孫が帰省してくることは何よりの楽しみですが、それに伴う経済的・身体的負担は年々重みを増しています。
特に深刻なのが交通費の問題です。JTBの調査によれば、2026年も旅行費用は高止まりする見通し。マサ子さんの娘一家5人が飛行機で帰省する場合、往復のチケット代だけで30万円近くに達します。年金生活を送る身でありながら、この高額な旅費を全額負担しているというから驚きです。一回の帰省で消えていく金額は、高齢夫婦世帯の平均的な1ヶ月の生活費を軽々と上回ります。
さらに、滞在中の食費や外食代、孫への小遣いを含めると、年間の負担額は50万円を突破することもあります。背景には、孫を連れての移動は大変だろう、という親としての慈しみがありますが、物価高が続く中でこの出費を続けることは、自身の老後資金を猛スピードで削り取ることと同義です。
SNSでは、この構図に対して厳しい意見が相次いでいます。
『いい大人が親から交通費もらうなんて情けないとすら思う』
『お金がないなら帰省は諦めたらどうですか』
『娘にしてみれば、連休に無料で旅行してるようなもの』
といった、子世代の自立を促す声が目立ちます。一方で、親の側から
『帰ってくるのを楽しみに今もアルバイトしてるんだから受け取りなさいと言われた』
という体験談もあり、親が自らの生きがいとして出資を選んでいる側面も無視できません。
また、金銭面だけでなく、家事負担も深刻な火種となっています。実家に甘え、食事の準備や後片付けを親に丸投げしてしまう娘の姿に、マサ子さんは『私は家政婦じゃないのよ』と黒い感情が湧くこともあると吐露しています。かつては美徳とされた帰省という文化が、現代の物価高と高齢化の中で、ある種の肉体労働と化している現実は否定できません。
しかし、どれほど不満や不安があっても、マサ子さんは拒絶を選びません。孫が成長し、部活や友人を優先するようになれば、いずれこの喧騒は消えてしまうことを知っているからです。
今の賑やかさは、有限の時間の中で買い取っている、かけがえのない贅沢品なのかもしれません。














