私「お母さん、赤ちゃんができたの」妊娠を報告。だが、母から返ってきたのはお祝いの言葉ではなかった
妊娠が分かった夜に
妊娠が分かったのは、夜のことでした。
専業主婦の私には収入がなく、暮らしは夫に頼りきりです。
それでも子どもを授かったうれしさで、その夜は胸がいっぱいでした。
誰よりも先に伝えたかったのは、実家の母です。
父の体が弱く、私はずっと、自分の貯金を崩して両親に仕送りを続けてきました。
減っていく通帳を見ても、初孫の報告ができる日のことを思えば、不思議と苦になりませんでした。
受話器を握る手が、少し汗ばんでいたのを覚えています。
「お母さん、赤ちゃんができたの」
そう告げて、私は母の声を待ちました。
喜びより先に出た言葉
けれど、返ってきたのはおめでとうではありませんでした。
「で、私たちへの仕送りはどうなるの」
耳を疑いました。体は大丈夫なのかも、いつ生まれるのかも、何も聞かれませんでした。母の関心は、最初からそこにしかなかったのです。
「ちょっとは、喜んでよ」
声が震えました。すると母は、取り繕うどころか、こう続けたのです。
「うちの仕送り、止めないでよ」
その瞬間、お腹の奥にあったはずの温かい気持ちが、すっと引いていくのが分かりました。
私は娘ではなく、お金を送る人だったのだと、思い知らされた気がしたのです。
冷えたまま残るもの
電話を切ったあと、私はしばらく台所に立ち尽くしていました。怒りでも涙でもなく、ただ背筋が冷えていく感覚だけがありました。
私の親って、こういう人だったんだ。何年も気づかないふりをしてきたものが、たった一言で目の前に転がり出てきたようでした。
夫には、まだうまく話せていません。心配をかけたくないのもありますが、自分の親をどう説明すればいいのか、言葉が見つからないのです。
本当ならいちばん喜んでほしかった人に、お金のことしか見られていなかった。その事実が、思っていたよりずっと重く胸にのしかかっていました。
仕送りを続けるべきか、距離を置くべきか。
お腹の子のためにも答えを出さなければと思いながら、いまも決めきれずにいます。あの夜に感じた薄ら寒さだけが、消えずに残っているのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














