「先生に頼んだんでしょ?」幼稚園の遠足の同行から外れたママ友。執拗に詮索するママ友に見せた1枚の紙とは
繰り上げの連絡
幼稚園の芋掘り遠足は、同行できる保護者が抽選で決まる決まりだった。人数に限りがあり、希望者全員は行けない。私も応募したが、結果は落選だった。
「仕方ないね。お土産話、楽しみにしてる」
娘にそう伝えて、すっかり諦めていた数日後のことだ。園から電話が入った。
「当選されていた方がご都合つかなくなりまして。代わりにご同行いただけませんか」
願ってもない話に、私はその場で快諾した。娘も飛び跳ねて喜び、当日が待ちきれない様子だった。
向けられた疑いの目
登園の付き添いで毎朝顔を合わせるママが、私の同行を知るなり、急に距離を詰めてきた。やけに探るような口ぶりだった。
「結局あなた、どうやって選ばれたの?」
抽選で外れたはずの私が行くのが、どうにも腑に落ちないらしい。事情を説明しかけたのに、彼女は最後まで聞かずに畳みかけてきた。
「先生に頼んだんでしょ?」
言葉を失っている間に、彼女はもう次の行動に移っていた。ほかの保護者をつかまえては、声を大きくして触れ回っていたのだ。
「あの人、落ちてたのに行くんだって。変じゃない?」
「先生に気に入られてるんじゃない?」
身に覚えのない疑いが、じわじわと広がっていく。送り迎えのたびに刺さる視線が、日に日に重くなった。
何も後ろめたいことはしていないのに、どうしてこんな目で見られるのか。
娘は、そんな大人の事情など知るよしもない。長靴を磨いて、当日を心待ちにしている。その無邪気な顔を見ていたら、変な噂のせいで遠足を曇らせたくないと思った。
一枚の手紙が示したもの
このまま黙っていては、ありもしない話が事実のように広まってしまう。私は翌朝、園から届いていた一枚の手紙を、鞄から取り出して彼女に見せた。
「園から正式に連絡をいただいて、繰り上げで決まったんです」
手紙には、繰り上げの経緯と日付がはっきり記されていた。後ろ暗いことなど、どこにもない。彼女の勢いは、見る間にしぼんでいった。
言いかけた言葉を飲み込み、彼女はばつが悪そうにうつむいた。あれだけ大きかった声が、ぴたりと止まる。
「そう……ちゃんとした連絡だったのね」
そのやり取りを聞いていた別のママが、静かに割って入った。
「繰り上げなんて珍しくもないのに、何をそんなに騒いでたの?」
その問いかけに、彼女は答えられなかった。気づけば、根も葉もない噂を流していた本人のほうが、周りから一歩引かれていた。私はこれ以上巻き込まれたくなくて、彼女とは適度に距離を取ることにした。
遠足の日、娘は満面の笑みで泥だらけの芋を見せてくれた。引き受けて損はなかったと、心から思えた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














