「うちの子が主役じゃないっておかしいわよね?」とお遊戯会の配役に納得いかないママ友。同調しない私に向けた信じられない態度とは
配役表の前で
園のお遊戯会の配役が、廊下に貼り出された。先生方が子どもたち一人ひとりを見て、何日もかけて決めたものだ。役の大きさに偏りはあっても、選び方そのものはまっすぐで公平だった。
その紙の前で立ち止まっていた私に、同じクラスの母親が肩を寄せてきた。表情には、はっきりと不満がにじんでいる。
「ねえ、これ見た?」
「うん、さっき貼られたところだよね」
「うちの子が主役じゃないっておかしいわよね?」
当たり前のようにそう言われ、私は一瞬、言葉に詰まった。誰よりも目立つ役が、自分の子のものでなければ気が済まないらしかった。
事実を返しただけ
同意を求める視線が、こちらにまっすぐ向けられている。けれど、うなずける話ではなかった。
配役は先生方が責任を持って決めたもので、親が口を出す筋合いのものではない。
「先生が選んだことですので」
私は穏やかに、それだけ伝えた。彼女の子を低く見たわけでも、配役を批判したわけでもない。
ただ、起きていることをそのまま言葉にしただけだ。
「ひいきとか、そういうのはないと思うよ。本番、楽しめるといいね」
そう続けると、彼女の目つきが変わった。同意しなかったことが、よほど気に入らなかったらしい。
翌朝、園の前で挨拶をしても、彼女は私を見ようともしなかった。
一人だけ硬い顔
無視は、それから何日も続いた。声をかけても返事はなく、視線すら合わせてもらえない。何も否定していない私が無視される理不尽さに、心がざわついた。
それでも、ここで腹を立てたら向こうの思うつぼだ。私はいつもと変わらず門の前で挨拶を続け、ほかの親たちとも普段どおりに言葉を交わした。
変わらない私のとなりで、頑なに顔を硬くしている彼女のほうが、だんだん目立っていった。
挨拶を無視するたびに、まわりの親たちが彼女をちらりと見るようになっていた。そんなある朝、別の母親がそっと近づいてきた。
「あの人、先生に主役を代えてって直談判したんだって」
「断られて、それで機嫌が悪いみたいよ」
事情を聞いた周りの親たちは、静かに距離を取りはじめた。挨拶を無視され続けても淡々としている私と、一人で意地を張る彼女。
どちらが大人げないかは、誰の目にも明らかだった。
「挨拶くらい、返せばいいのにね」
近くにいた母親がぽつりと漏らすと、数人が小さく同意した。彼女はその空気を察したのか、気まずそうにうつむいた。後日、向こうから先に、ぎこちなく会釈をしてきた。無視を貫いて孤立したのは、彼女のほうだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














