「不味いと嫌だから、味見しちゃったわ」会計前のグミを食べた女性。だが、後ろの客と始めた会話に唖然
レジに持ってきたグミの袋は、すでに開いていた
学生のころ、ドラッグストアでアルバイトをしていました。その日は夕方のレジを担当していて、店内も少し落ち着いていた時間でした。
そこへ、ご高齢の女性がグミの詰め合わせを一つ持ってこられました。
商品を受け取ろうとして、私は袋の端が開いていることに気づきました。
破損した商品を知らせに来てくださったのかと思ったのですが、女性の口はゆっくり動いています。
私が戸惑っていると、女性は笑顔で言いました。
「不味いと嫌だから、味見しちゃったわ」
どうやら、会計前の商品を一つ食べてみたようでした。
当時の私はまだ学生アルバイトです。こういう場合にどう対応すればいいのか分からず、社員を呼んだほうがいいのかと迷いました。
すると女性は、私が何か言うより先に開いた袋をレジ台へ置きました。
「これはちゃんと買うわよ」
代金を払わずに済ませるつもりではなかったようです。それでも、会計前の商品をその場で食べてしまう人を見るのは初めてで、私は驚いたままでした。
後ろから聞こえてきた、思いがけない質問
そのとき、後ろに並んでいた別のご高齢の女性が、商品をのぞき込むようにして尋ねました。
「あら、私も気になってたの。お菓子はおいしかった?」
注意するのかと思っていた私は、思わずそちらを見ました。
最初の女性は嬉しそうに振り返ります。
「もちもちしてて、ちょっと酸っぱいのよ」
「そうなの。じゃあ孫に買っていこうかしら」
まるで試食販売でもしているような会話になり、私はなんとも言えない気持ちでレジを打ちました。
最初の女性は開封したグミの代金をきちんと払い、さらに棚から同じ商品をもう一袋持ってきました。
「こっちは家に持って帰る分ね」
二袋分の会計を終えると、「ありがとう」と言って店を出ていきました。
次のお客さまも、同じグミを持ってきた
そして次に並んでいた女性の番になると、その手にも同じグミがありました。
「さっき聞いたら、おいしそうだったから」
私は思わず笑ってしまいそうになりながら、いつもどおり会計をしました。
会計前の商品を開けて食べることには驚きましたし、本来なら先に店員へ確認してほしいところです。
ただ、その女性には代金を払わないつもりはなく、結果的には開けた商品もきちんと購入されました。
今でもグミの棚を見ると、あの日のレジを思い出します。
困って固まっていた私の前で突然始まった、二人のお菓子談議。学生だった私には、なんとも忘れられない出来事になりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














