「あなたは大きいんだから、譲ってあげて」児童館で順番を奪われた男の子。だが、そこへ現れた職員が告げた正論
順番を待つ男の子の前に現れた母親
娘と児童館へ出かけた日の昼のことです。
プレイルームには子どもたちに人気の大きな車のおもちゃがあり、その日も順番待ちの列ができていました。
娘も列に並び、私はその隣で手をつないでいました。
先頭にいたのは、小学校低学年くらいの男の子です。そばに保護者の姿はなく、今遊んでいる子が終わるのをじっと待っていました。
そこへ、3歳くらいの子どもを連れた母親がやってきました。
子どもが車のおもちゃに駆け寄ると、母親は列を見て小さく舌打ちしました。
「えっ、これ並ぶの?」
そう言いながらも列には加わらず、男の子のすぐ横に立ったのです。
しばらくして、遊んでいた子がおもちゃを置きました。
男の子が手を伸ばした、その瞬間です。
母親が横からおもちゃを取り上げ、自分の子どもに渡してしまいました。
「はい、遊んでいいよ」
驚いて立ち尽くす男の子に、母親はさらに言いました。
「あなたは大きいんだから、譲ってあげて。小さい子が優先なの」
男の子は何も言い返せず、唇をかんでいました。
その様子を見ていた娘が、私の手をきゅっと引きました。
「ママ、お兄ちゃん、ずっと待ってたのに…」
私も同じ気持ちでした。小さい子に遊ばせたい気持ちは分かります。でも、だからといって先に並んでいた子の順番を奪っていいはずがありません。
職員の一言に黙り込んだ母親
そこへ、エプロンをつけた女性職員がやってきました。
職員は男の子の様子に気づくと、優しく声をかけました。
「お兄ちゃん、先に並んでいたのかな?」
男の子が小さくうなずくと、職員は母親に向き直りました。
「すみません。こちらは並んだ順番で遊んでもらっているんです」
すると母親は、不満そうな顔で言い返しました。
「小さい子なんだから、いいじゃないですか」
しかし、職員は落ち着いた声で答えました。
「小さいお子さんも大きいお子さんも、順番は同じですよ」
そして、男の子のほうに手を向けました。
「次はこちらのお兄ちゃんですね」
母親は言葉に詰まり、周囲を見回しました。
近くにいた親子も手を止めてこちらを見ています。母親の頬が、みるみる赤くなりました。
職員は母親の子どもの前にかがみ、優しく声をかけました。
「順番が来たら遊べるからね。もう少し待とうね」
母親は何も言い返さず、子どもの手からおもちゃを受け取ると、黙って男の子に返しました。
ようやく自分の番になった男の子は、ぱっと表情を明るくしました。
「ありがとう!」
そう言っておもちゃを抱えると、職員にぺこりと頭を下げました。
一方、母親は誰とも目を合わせず、子どもの手を引いて列の最後尾へ向かいました。
隣にいた娘も安心したようで、うれしそうに男の子を見つめていました。
強く叱ることなく、当たり前のルールをきちんと伝えた職員の対応が印象に残っています。
そして何より、ずっと待っていた男の子が笑顔で遊べるようになって、本当によかったと思いました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














