「設計図、全部白紙な」家を建て替える予定を独断で変更した父。だが、反対した他の家族に対して、父が放った言葉に絶句
家族で何度も練り直した間取り
子どもの頃から住んできた家を建て替えることになり、母と祖母と私で時間をかけて準備していました。
信頼できそうな業者を比較し、何社からも見積もりを取り寄せ、何度も家族で間取りを話し合った末にようやく設計図ができ上がったところでした。
祖母の足腰のことを考えて段差を減らし、母が長年欲しがっていた広めの台所を確保し、私の子ども部屋にも光が入るように。
何ヶ月もかけて積み上げた、家族みんなの願いが詰まった図面でした。
着工はもう目前。
打ち合わせの帰りに、母が「ようやくここまで来たね」と笑った顔を今でも覚えています。
ところが、その夜のことでした。
実父が玄関で靴を脱ぎながら、軽い口調で言ってきたのです。
「設計図、全部白紙な」
何を言っているのか、しばらく理解できませんでした。母も祖母も口を開いたまま固まり、リビングの空気が一瞬で凍りつきました。
父の独断で動き出した別の業者
父が連れてきたのは、知り合いだという小さな建築屋でした。
すでに進んでいた契約を翌朝勝手に解約し、別の業者に話を回したというのです。
違約金の話も、こちらに何の相談もなく。
「ちょっと家ってもんを建ててみたかったんだよ」
父はそんな理由で、家族みんなの計画をひっくり返したのでした。
本人はろくに家にいる時間もなく、長男として家を継ぐ気もない。
それなのに、自分の気まぐれを最優先したのです。
祖母が「勝手にやるんじゃない」と声を荒げても、母が「お願いだから戻して」と頭を下げても、父は表情ひとつ変えませんでした。
返ってきたのは、たった一言でした。
「お前らの意見なんか知るか」
最後には祖母が「もう一緒には住めない」とまで言って、家族の関係はぐちゃぐちゃに崩れていきました。
完成しても残った後味の悪さ
父の知り合いの業者は、こちらの希望を伝えても「ご主人の言う通りに作りますんで」の一点張り。
台所の窓の位置も、祖母の部屋の動線も、母が目を光らせていた細部はことごとく省かれました。
出来上がった家は、思い描いていた間取りとはかなり違うものになっていました。
家族や親戚という関係は、うまく回ればこれ以上ない味方になります。
けれど、ひとりの身勝手で軋み始めると、毎日の暮らしそのものが重くなる。私はあの一件で、それを身をもって知りました。
新しい家に立つたび、白紙にされた設計図と、あの夜の母と祖母の顔がよみがえります。何年経っても、父のあの軽い一言だけは、どうしても飲み込むことができないままです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














