「孫が楽しみなだけなの」妊娠してから距離感が近くなった義母。だが、過干渉な振る舞いに我慢の限界を迎えた瞬間
毎朝、家の前に立つ人
妊娠が分かってから、夫の母との距離が一気に縮まった。それまでは年に数回の付き合いだったのに、今では毎日のように私の体調を確認してくる。
ある朝、家の前で見慣れた人影が立ち止まっているのに気づいた。義母が、わが家の周辺を散歩コースにし始めたのだ。
「血圧、ちゃんと測ってる?高めだと危ないから、毎日教えてね」
つわりの回数、検診の結果、産院の方針。質問は際限なく続いた。返事が少しでも遅れると、今度は心配の電話がかかってくる。
気遣いのはずなのに、私の一日は義母への報告で埋まっていった。私はとうとう、夫にそっと相談した。
「お義母さんからの連絡、少しだけ控えてもらえないかな」
取り合わない夫
けれど、夫の返事はそっけなかった。私の負担より、母親の好意を信じて疑わない口ぶりだった。
「孫が楽しみなだけなの」
その一言で、私の訴えはふわりと流された。母さんも初孫が嬉しいんだよ、と笑う夫に、これ以上どう言えばいいのか分からなくなる。
味方だと思っていた人が、義母と私の間で曖昧に笑っているだけ。その事実が、思っていた以上に心にこたえた。夫が動いてくれないと分かると、義母の干渉はますます勢いを増していった。
「私は出産経験者だから、聞きたいことがたくさんあるでしょう?」
得意げにそう言う義母を前に、私は何度も言葉を飲み込んできた。けれど、お腹の子のためにも、ここで線を引かなければと腹をくくった。
40年と25年の差
その晩、私は夫に静かに切り出した。感情的にならないよう、ただ事実だけを並べるつもりで。
「私の母は子どもを三人産んでいて、体質も私とよく似てるの。しかも最後の出産は、たった25年前」
夫がはっとした顔でこちらを見る。
私はもう一歩、踏み込んだ。
「相談したいのは25年前に産んだ実母」
「お義母さんの出産は40年前。あなたなら、どっちに聞きたい?」
夫は答えようとして、言葉に詰まった。出産経験者という肩書きが、40年という時間の前で、するすると説得力を失っていくのが分かった。
「……ごめん。それは、君の言う通りだ」
うつむいた夫の声には、もう義母を擁護する力はなかった。私はその気持ちを、後日、義母本人にも丁寧に伝えた。
「出産までは、実母に頼らせてください。少し距離を置きたいんです」
義母は何か返そうと口を開いたものの、結局は黙ってうなずくしかなかった。
翌朝から、家の前を歩く足音は二度と聞こえなくなった。胸につかえていた重しが、ようやく下りた瞬間だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














