「できれば『み』で終わる名前はやめて」子どもの名前に条件を出した義姉。だが、義父母が返した一言
まだ名前を考え始めたばかりだった
妻が妊娠していたころ、僕たちは少しずつ子どもの名前を考え始めていました。
とはいっても、まだ候補をいくつか挙げているだけです。「呼びやすいかな」「この漢字はどうだろう」と話すくらいで、決まりそうな名前はありませんでした。
ある日、妻と一緒に義実家へ行ったときのことです。
何気ない会話の途中で、義母が妻に聞きました。
「名前はもう考えてるの?」
妻は笑いながら答えました。
「まだ全然。いくつか考えてるけど、これっていうのはないよ」
すると、一緒にいた義姉がこちらを見ました。
少し迷っているような顔をしたあと、妻に声をかけます。
「じゃあさ、決める前に一個だけお願いしてもいい?」
妻は不思議そうに「なに?」と聞き返しました。
「名前の最後が『み』になるのだけは、できればやめてほしいんだ」
妻の表情が変わりました。
「え……どうして?」
義姉夫婦は、二人とも名前が「み」で終わります。そのため、いつか自分たちに子どもができたら、同じように「み」で終わる名前を付けたいと思っているのだそうです。
「まだ先の話なんだけどね。ずっとそうしたいと思ってたから、もし同じ感じになったらちょっと嫌だなって」
義姉は責めるような言い方ではありませんでした。
本人としては、後から気まずくなるくらいなら先に伝えておこう、というつもりだったのだと思います。
「でも、私たちもまだ何も決めてないよ」
妻は少し困ったように言いました。
「でも、私たちもまだ何も決めてないよ」
「うん。だから決まる前に言っておこうかなって」
義姉はそう返しました。
その瞬間、妻は黙ってしまいました。
僕も何と言えばいいのか迷いました。
僕たちが「み」で終わる名前を付けようと決めていたわけではありません。それでも、これから二人で自由に考えようとしていたところに、先に一つだけ条件を付けられたような気がしました。
妻も同じように感じたのか、さっきまで楽しそうだった表情が少し硬くなっています。
すると、それまで黙って聞いていた義父が口を開きました。
「いや、それは違うだろう」
義姉が「え?」と振り向きます。
義父は少し困った顔をしながら続けました。
「まだ決まってもいない名前に、口を出すのはやめてくれ。自分たちのときは、自分たちで好きな名前を考えればいいだろう」
義姉は少し不満そうに言いました。
「別に絶対ダメって言ってるわけじゃないよ。できればって話なんだけど」
そこで義母も口を挟みました。
「でも、今それを言われたら、この二人は気にするでしょう?」
義母は妻のほうを見ながら続けます。
「名前は二人で考えさせてあげなさいよ」
義姉はしばらく黙っていました。
それから妻の顔を見て、小さく息を吐きました。
「……ごめん。ちょっと言い過ぎた」
妻も少し間を置いてから答えました。
「うん。もう大丈夫」
義母がお茶を入れ直し、義父が別の話を始めました。
名前の話は、そこで終わりました。
その後は、二人だけで名前を決めた
今になって思えば、義姉も僕たちの名前選びを邪魔したかったわけではないのでしょう。
自分の中に昔から思い描いていたものがあって、それを先に伝えておきたかった。ただ、言われた側がどう感じるかまでは考えきれなかったのだと思います。
その後、僕たちは家でゆっくり名前を考えました。
夕食のあとに紙へ候補を書きながら、妻と「これは呼びやすそうだね」「こっちは漢字で迷うね」と話しました。
最終的に決めたのは、「み」で終わる名前ではありませんでした。
ただ、それは義姉に言われたから避けたわけではありません。二人で候補を考えていった結果、自然にその名前に決まりました。
義姉とは、その後も普通に付き合っています。
親族の集まりで会えば世間話もしますし、あの日のことを引きずっている様子もありません。
ただ、子どもの名前について、義姉から何か言われることは二度とありませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














