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2026.09.12(Sat)

「今日、買い物行くんでしょ?」髪型も、習い事も、出かけた先も重なる知人。我慢出来ずに私は距離を置いた

「今日、買い物行くんでしょ?」髪型も、習い事も、出かけた先も重なる知人。我慢出来ずに私は距離を置いた

行く先々で、なぜか会うようになった

子どもの園で知り合った人は、最初のころ、いちばん話しやすい相手だった。

困ったときに声をかけてくれるのはいつもその人で、私も頼りにしていた。

少し気になり始めたのは、持ち物が重なるようになってからだ。私がかばんを買うと、数日後にはその人もよく似たものを持っていた。髪を切ったときも、すぐに気づかれた。

「あ、髪切った?いいね、その長さ」

「うん。ちょっと短くしたんだ」

「どこで切ってるの?」

「駅の近くの美容院だよ」

「へえ、そこなんだ。私も今度行ってみようかな」

同じ店に行くくらい珍しいことではない。そのときは、好みが似ているのかもしれないと少しうれしく思っていた。

ところが、そのうち子どもの習い事の曜日まで同じになった。

さらに、休日に家族で出かけた先でも何度か顔を合わせた。行き先はいつも当日に決めていて、その人に話した覚えはなかった。

「あれ、また会ったね。びっくりした」

「ほんとだね。すごい偶然」

最初は私も笑っていた。

けれど、二度、三度と続くと、少しずつ気になってくる。

三度目に出先で会ってからは、週末の予定や買い物の話を、その人の前ではなるべくしないようになった。

「今日、買い物行くんでしょ?」

決定的だったのは、子どもを園へ送った帰りの朝だった。

その日の予定は前の晩に私一人で決めたもので、まだ誰にも話していなかった。

門を出たところで、その人に呼び止められた。

「ねえ、今日、買い物行くんでしょ?」

思わず足が止まった。

「え…なんで分かったの?」

「え?」

「今日、買い物に行くって。誰にも言ってないんだけど」

その人は少し考えるような顔をしてから、笑った。

「ああ、なんとなく。今日はそんな感じかなって思っただけ」

「……そっか」

それ以上、何を聞けばいいのか分からなかった。

ただの偶然かもしれない。私が気にしすぎているだけかもしれない。そう思いながらも、その日は少し落ち着かなかった。

それから、こちらから連絡する回数を減らした。出かけた話をするとしても、帰ってきてからにした。理由を問い詰めたり、「ついてきているの?」と聞いたりはしなかった。

しばらくすると、向こうから話しかけてくることも減った。出かけた先で顔を合わせることもなくなり、園の門の前で見かけても、以前のようにそばへ来ることはなかった。

春になり、私はまた髪を短くした。

その翌朝、園の門を出たところで、その人とすれ違った。

その人の髪も、私とよく似た長さになっていた。

「あ、おはよう」

「おはよう」

相手は私の髪を見て、少し笑った。

「髪、切ったんだ。似合ってるね」

「ありがとう」

それだけ言って、私たちはそのまますれ違った。

今はもう連絡を取っていない。

あの偶然がどこまで本当に偶然だったのか、あの人が私のことをどこまで知っていたのか。結局、それだけは今も分からないままだ。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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