「マネージャーを呼べ」15個の弁当を買った男性客が全品作り直しを要求。だが、ソースの入れ忘れに責任者が示した対応
15個のお弁当を注文した男性客
お弁当屋さんでアルバイトをしていたころの出来事です。
その日は昼のピークで、店内にはお客さんの列ができていました。
そんななか、ひとりの男性客が、いろいろな種類のお弁当を15個ほどまとめて注文しました。
私は厨房から出来上がってくるお弁当を受け取り、次々と袋に詰めていきました。
男性は複数の袋を受け取ると、駐車場に停めてある車へ運んでいきました。
ところが、少しして男性が袋を持って戻ってきたのです。
カウンターに袋を置くと、不機嫌そうな顔で言いました。
「この弁当、ソースが入ってないんだけど」
確認すると、ある種類のお弁当に付けるソースが入っていませんでした。
忙しさに気を取られ、私が入れ忘れてしまったのです。
「申し訳ございません。すぐにお持ちします」
私は慌ててソースを用意し、男性に差し出しました。
しかし、男性は受け取ろうとしません。
「いや、わざわざ車から戻ってきたんだよ。運んでる間に冷めたし、全部作り直してよ」
思いがけない要求に、私は戸惑いました。
「全部のお弁当ですか…?」
「そうだよ。そっちのミスで戻ってきたんだから」
ソースを入れ忘れたのはこちらのミスです。ただ、問題のなかったお弁当まで作り直すとなると、私ひとりでは判断できません。
「申し訳ありません。ただ、全部となると私では判断できなくて…」
すると、男性は声を荒らげました。
「じゃあ、マネージャーを呼べ」
大きな声に、並んでいたお客さんたちもこちらを振り向きました。
自分のミスが原因だっただけに、私は申し訳なさと焦りでいっぱいでした。
マネージャーが伝えた対応
騒ぎを聞いたマネージャーが厨房から出てきました。
「お待たせしました。どうされましたか?」
男性は、ソースが入っていなかったことや、車まで運んだお弁当を全部作り直してほしいことを説明しました。
マネージャーは話を聞き終えると、頭を下げました。
「ソースの入れ忘れはこちらのミスです。申し訳ございません」
「だったら、全部作り直してくれるんだよね?」
「申し訳ありませんが、お弁当の作り直しはできません。不足していたソースをお渡しする形で対応させていただきます」
「いや、だからさ。こっちはわざわざ戻ってきてるんだよ?」
「お手数をおかけして申し訳ありません。ただ、ほかのお弁当も含めて作り直すことはできません」
マネージャーは落ち着いた口調で答えました。
男性はまだ不満そうでしたが、しばらくすると小さくため息をつきました。
「…もういいよ。ソースちょうだい」
マネージャーが改めて謝罪し、ソースを差し出すと、男性はそれを受け取りました。
そして、カウンターに置いていた袋を抱え、黙って店を出ていきました。
男性がいなくなると、列の先頭にいた女性客がほっとしたように注文を始めました。
昼のピークが落ち着いたころ、マネージャーが私の肩を軽くたたきました。
「つけ忘れは、次から気をつけよう。でも、謝り方はよかったよ」
その言葉に、ようやく少し肩の力が抜けました。
今回の原因は、私の確認不足です。ただ、こちらにミスがあったとしても、すべての要求に応じなければならないわけではないのだと感じました。
それ以来、お弁当とソースの小袋をひとつずつ指さして確認してから、袋を閉じるようになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














