私「市販のやつ、すごくおいしいの!」→「そういうの使わないんで」と見下してきた義弟。だが、私が出した料理を食べると状況が一変
正月の何気ない会話
正月、妹の家族が私の家に集まっていた。帰り際、妹が夕飯の相談を口にする。
「今日帰ったら何作ろうかな。キャベツはあるんだよなあ」
「回鍋肉ならすぐだよ」
「市販のやつ、すごくおいしいの!」
私が気軽に勧めると、妹の夫が、すかさず鼻で笑った。
「そういうの使わないんで」
妹夫婦は、日頃から徹底した無添加志向だ。出汁は一から取り、マヨネーズさえ手作りすると、いつも自慢げに語っていた。
「私たち、ああいう市販のものって、ちょっとね」
その見下したような言い方に、市販の調味料を馬鹿にされた気がした。それでも私は、ただ微妙な笑顔を返すだけにとどめた。
空になった大皿
料理の支度は、結局その日も私の役目になった。手早くできるものをと、台所で合わせ調味料もうま味調味料も使って、次々と仕上げていく。
大皿を食卓に出すと、真っ先に手を伸ばしたのは妹夫婦の子どもだった。
「これ、おいしい! おかわり!」
同じ皿に、鼻で笑ったはずの妹の夫まで、無言で箸を伸ばしている。隣の伯母も、しきりに感心していた。
「お店で出てきてもおかしくない味ね。手際がいいわ」
気づけば、大皿はすっかり空になっていた。妹までもが、感心したように尋ねてくる。
「お姉ちゃん、これ何で味付けしたの? おいしい」
「市販の合わせ調味料よ。ほら、さっき話してたやつ」
逆転した昼下がり
私の答えに、食卓の視線が、いっせいに妹の夫へと向いた。彼は箸を止め、ばつが悪そうに皿へ目を落とす。たった今、自分もおかわりまでして平らげた料理だった。
「義兄さん、これも市販のやつだけど、どう?」
あえて穏やかに尋ねると、彼の顔がさっと強ばった。
「……いや、おいしいです、普通に」
さっきの勢いはどこにもない。何か言い返そうとして、言葉が続かず、口をつぐんでしまった。子どもは追い打ちのように、また皿を差し出している。
伯母が、笑いながら一言添えた。
「便利なものを上手に使うのも、立派な料理よ」
彼は黙ってうなずくしかなかった。あれほど誇っていた無添加の話を、その日はもう持ち出さなかった。私はわざと聞こえるように、明るく言った。
「じゃあ今度、その合わせ調味料、教えてあげようか?」
彼はばつ悪そうに目を逸らし、小さく頭を下げた。立場というのは、こんなにあっさり入れ替わるものらしい。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














