「あら、今日はずいぶん良いお洋服ね」と嫌味を言うママ友。だが、私が明かした事実に言葉を失った
お迎えの園庭で
その日のお迎えは、園庭にお母さんたちが何人も集まっている時間だった。子供にはたまたま、親戚からいただいた少し上等なブランドの服を着せていた。
買ったものではなく、お下がりのような貰い物だ。
近づいてきたのは、園でも有名な仕切りたがりのママ友だった。誰の持ち物が新しいか、どこの習い事に通っているか、人のことを逐一チェックしては品定めする人で、私はいつも当たり障りなく接していた。
深入りすれば、こちらの暮らしぶりを物差しにされるのが目に見えていたからだ。
「あら、今日はずいぶん良いお洋服ね」
その日も、彼女の視線はまっすぐ子供の服に注がれていた。値踏みするような目つきに、私は内心で身構えた。
わざと張り上げた一言
周りに聞こえるよう、彼女はわざと声を大きくして言い放った。
「お宅はいつも良いお洋服で羨ましいわ」
そして、謙遜を装いながら本音の刃を覗かせた。
「うちはプチプラで十分」
そう前置きしてから、旦那さんの収入が良いと服にかける余裕が違うのよねえと言う。
自分を下げるふりをして、こちらの夫の稼ぎを引き合いに出す。典型的な嫌味だった。周りのお母さんたちも一瞬しんとして、気まずそうに目を見合わせている。
張り合ってもよかったけれど、私はあえて穏やかに、彼女のプチプラ宣言のほうを褒めてみせた。
「素敵ですね」
そして、肝心なところをさらりと付け足した。
「これ、いただき物なんです」
収入の差を匂わせて見下したつもりが、相手の服はただの貰い物。彼女の嫌味は、出した瞬間に行き場を失った。
黙り込んだ相手
勝ち誇っていた彼女の顔が、みるみるこわばっていった。何か言い返そうと口を開きかけ、言葉が出てこずに閉じる。
最後は気まずそうにうつむいて、そのまま黙り込んでしまった。
反対に、周りのお母さんたちの空気はふっとほぐれた。一人が「うちもいただき物ばっかりですよ」と笑い、別の人がそうそうと相づちを打つ。
大声でマウントを取った彼女だけが、その輪からぽつんと取り残されていた。
私は無理に追い打ちをかけず、子供の支度を整えて園庭を出た。見栄を張る人に張り合っても仕方がない。事実を一つ置いてくるだけで、十分だった。
それ以来、彼女が私に収入や持ち物の話を振ってくることはなくなった。すれ違っても、決まりが悪そうに小さく頭を下げるだけだ。
今は適度な距離を保ちながら、穏やかに付き合えている。あのとき下手に出ずに返せて、すっきりした気持ちで毎日を過ごせている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














