「スマホをよこせ、誰と連絡してる」束縛系の彼が、別れ話の後に自宅へ押しかけた。だが、父に諭され頭を下げた瞬間
スマホを奪う元彼
一つ上の彼と付き合い始めたのは、学生の頃でした。
知人の紹介で出会い、優しそうな人だと思っていたのです。
けれど交際が始まると、彼の束縛は日に日に強まっていきました。
いちばん堪えたのは、私の連絡先を確かめずにいられない彼の姿です。
「スマホをよこせ、誰と連絡してる」
会うたびに、彼は私の手元に手を伸ばしました。
友だちとのやり取りをすべて見て、男の名前があれば問い詰めてきます。
「男のいる店には行くな」
「夜は電話をつないだまま寝ろ」
細かな決まりごとが、どんどん増えていきました。
護身用だと催涙スプレーまで持たされ、私の毎日は彼の許可なしには回らなくなっていたのです。
友だちと会う約束をしただけで、彼の機嫌はみるみる悪くなりました。
「本当に女だけなのか。嘘だったら許さないからな」
そう問い詰められるたび、私の自由な時間は少しずつ削られていきました。彼のいない時間など、もうほとんど残されていなかったのです。
自宅に押しかけた末に
もう限界でした。私はある晩、思いきって電話で別れを告げました。
「ごめん、もう続けられない。別れよう」
「なんで急に。ちゃんと理由を言えよ」
彼は納得せず、いつまでも食い下がります。
話が終わりそうになく、私は震える指で通話を切りました。
ところが、別れ話のあとすぐのことでした。
自宅のチャイムが立て続けに鳴ったのです。画面に映ったのは、家まで押しかけてきた元彼でした。
怖くて出られずにいると、代わりに父が玄関へ出てくれました。
身構える私の耳に、父の落ち着いた声が届きます。
「気持ちはわかる。だが、こんな時間に押しかけて、娘が怖がっているのが見えないか」
元彼は「話をさせてほしいだけです」と食い下がりました。けれど父は声を荒げず、諭すように続けたのです。
「本当に好きなら、相手が嫌がることはしない。今のきみは、彼女を追い詰めているだけだよ」
その言葉に、元彼の勢いがふっと止まりました。開きかけた口が閉じ、視線が足元に落ちていきます。
しばらくの沈黙のあと、彼は小さな声で「……すみませんでした」と頭を下げたのです。
後ろに立った母が、そっと胸をなでおろすのが分かりました。あれほど強引だった人が、父の前ではただの気の弱い若者に戻っていました。
「もう二度と、うちの娘に近づかないでちょうだい」
母の毅然とした声にも、元彼はうつむいたまま何も言い返せません。深く一礼して帰っていき、それきり連絡は途絶えました。父と母に守られて、私はようやく長いトンネルを抜けたのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














