「その優先席は譲ってください」競技が終わっても席を離れなかった保護者。だが、先生が正論をぶつけた結果
次の学年の出番が近づいても
子どもの運動会の日、私は朝から校庭の保護者席で出番を待っていました。
その学校では、校庭の最前列に優先観覧席が設けられていました。競技に出る学年の保護者が前へ移動し、競技が終わったら次の学年の保護者と交代する決まりです。
我が子の学年の徒競走が近づき、私もカメラを持って優先席の近くへ向かいました。
ところが、前の学年の競技を見ていた数人の保護者が、そのまま席に残っています。足元には荷物も置かれていて、すぐに移動する様子はありませんでした。
後ろには、同じように出番を待つ保護者が少しずつ集まってきます。
近くにいた一人の保護者が、遠慮がちに声をかけました。
「すみません。次の学年なので、そろそろ替わっていただけますか」
すると、一人が振り返りました。
「もう少しだけ、ここで見たいんです」
その気持ちも分からなくはありません。ただ、このままでは次の学年の保護者が前へ入れません。
場内放送でも、競技ごとに観覧席を交代するよう案内が流れていましたが、数人はそのまま座っていました。
私は声をかけようか迷いながら、カメラを握ったまま立っていました。
先生が静かに声をかけた
そのとき、近くで保護者の誘導をしていた先生が、集まっている人たちに気づいてこちらへ歩いてきました。
状況を確認すると、先生は席に残っていた保護者へ落ち着いた声で伝えました。
「その優先席は譲ってください」
一人が少し困ったような表情を見せます。
「あと少しだけじゃだめですか」
「申し訳ありません。今から競技に出る学年の保護者のための席なんです。皆さんも、お子さんの出番にはここから見られるようになっていますので」
先生は責めるような言い方ではなく、改めてルールを説明しました。
少し間があったあと、一人が「分かりました」と荷物をまとめて立ち上がります。それを見て、ほかの人たちも続いて席を離れました。
「お待たせしました。次の学年の方、どうぞ」
先生に促され、私たちは順番に前へ入りました。
ほどなくして我が子の学年が入場し、スタートの合図が響きます。目の前を一生懸命に走る姿を、無事にカメラに収めることができました。
誰だって、自分の子どもの姿は少しでも長く、いい場所から見ていたいものだと思います。それでも、大勢が同じ気持ちで集まる行事だからこそ、決められた順番を守ることが大切なのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














