tend Editorial Team

2026.07.30(Thu)

「その学校、お金がかかるでしょう」進路に口を出してきた叔母→口を出してきた理由に思わず絶句

「その学校、お金がかかるでしょう」進路に口を出してきた叔母→口を出してきた理由に思わず絶句

進路希望を話した夜

高校三年の秋、進路希望を家で話していたときのことです。

その場には、母の妹である叔母が居合わせていました。私が行きたい学校の名前を出すと、叔母がゆっくりと湯呑みを置きました。

「その学校、お金がかかるでしょう。あなたの家に、そんな余裕があると思う?」

母は黙ったまま、目を伏せています。何かがおかしい、と肌で感じました。

「叔母さん、それ、どういう意味ですか」

問い返しても、叔母はすぐには答えませんでした。

ただ、母のほうをちらりと見て、薄く笑ったのです。その笑い方が、なぜか胸に引っかかりました。

背負わされそうになった借金

叔母は、私のほうへ身を乗り出しました。

「3000円は私が貸したお金なのよ」

意味がすぐには分かりませんでした。

私が毎月、母から受け取っていた3000円。

無くなればまたもらう、あの3000円のことでした。

そのお金は、母が叔母から繰り返し借りていたものだったのです。

「あなたが使ってきたお金の出どころは、私。だから進路も、私に相談してから決めなさい」

「相談って、つまり、叔母さんの決めた学校に行けということですか」

「賢い子ね。話が早くて助かるわ」

母の借金を、いつのまにか私が背負わされようとしていました。

母が黙っているぶん、叔母の言葉だけが部屋に響きます。膝の上で、手のひらにじわりと汗がにじみました。

首を、横に振った

怖かったし、母のことも心配でした。

それでも、この理屈にだけは頷いてはいけない、とはっきり分かりました。

「借りたのはお母さんで、私じゃありません」

声は少し震えていたと思います。

でも、私はもう一度、はっきりと首を横に振りました。

「返すお金があるなら、私も働いて手伝います。だけど、進路まで叔母さんに決めてもらう理由は、ないと思います」

叔母は目を見開き、それから言葉に詰まりました。反論を用意していた口が、行き場をなくしたように閉じられます。

しばらくして、叔母は勝手にしなさいとだけ言い残し、それ以上は迫ってきませんでした。

叔母が帰ったあと、母は何度も私に謝りました。私は、気にしないでとだけ返して、前を向いて座り直しました。

あの日、私は叔母に従いませんでした。母を責める気にも、なれませんでした。大人が作った借金の話と、私がこれから歩く道の話は、初めから別々のものだったからです。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.11.03(Tue)

「さっさとどけよ!」と前の車に毒づく運転席の彼。赤信号で降りた私はタクシーで帰宅し、彼の連絡先を即ブロック
tend Editorial Team

NEW 2026.11.03(Tue)

「そんなに払ってまで買う?」映画館の売店で私を批判した彼。上映後、空になった箱を見せると黙り込んだ
tend Editorial Team

NEW 2026.11.03(Tue)

「あら〜、お菓子の山ね!」と戸棚を荒らす息子を笑って眺めるママ友。私が真顔で告げると、ママ友の余裕が崩壊
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.11.27(Thu)

「ここは俺の場所だ!」ジムのマシンを独占する男。店員がある利用規約を伝えると顔面蒼白に…【短編小説】
tend Editorial Team

2026.06.12(Fri)

「結婚を前提に、一緒に暮らさない?」半同棲までしていた彼。だが、タブレットに残っていたやり取りに別れを決意
tend Editorial Team

2026.06.22(Mon)

「早く結婚して親を安心させろ」と親戚の前で言う叔父。だが、従妹の一言で黙り込んだワケ
tend Editorial Team