「その学校、お金がかかるでしょう」進路に口を出してきた叔母→口を出してきた理由に思わず絶句
進路希望を話した夜
高校三年の秋、進路希望を家で話していたときのことです。
その場には、母の妹である叔母が居合わせていました。私が行きたい学校の名前を出すと、叔母がゆっくりと湯呑みを置きました。
「その学校、お金がかかるでしょう。あなたの家に、そんな余裕があると思う?」
母は黙ったまま、目を伏せています。何かがおかしい、と肌で感じました。
「叔母さん、それ、どういう意味ですか」
問い返しても、叔母はすぐには答えませんでした。
ただ、母のほうをちらりと見て、薄く笑ったのです。その笑い方が、なぜか胸に引っかかりました。
背負わされそうになった借金
叔母は、私のほうへ身を乗り出しました。
「3000円は私が貸したお金なのよ」
意味がすぐには分かりませんでした。
私が毎月、母から受け取っていた3000円。
無くなればまたもらう、あの3000円のことでした。
そのお金は、母が叔母から繰り返し借りていたものだったのです。
「あなたが使ってきたお金の出どころは、私。だから進路も、私に相談してから決めなさい」
「相談って、つまり、叔母さんの決めた学校に行けということですか」
「賢い子ね。話が早くて助かるわ」
母の借金を、いつのまにか私が背負わされようとしていました。
母が黙っているぶん、叔母の言葉だけが部屋に響きます。膝の上で、手のひらにじわりと汗がにじみました。
首を、横に振った
怖かったし、母のことも心配でした。
それでも、この理屈にだけは頷いてはいけない、とはっきり分かりました。
「借りたのはお母さんで、私じゃありません」
声は少し震えていたと思います。
でも、私はもう一度、はっきりと首を横に振りました。
「返すお金があるなら、私も働いて手伝います。だけど、進路まで叔母さんに決めてもらう理由は、ないと思います」
叔母は目を見開き、それから言葉に詰まりました。反論を用意していた口が、行き場をなくしたように閉じられます。
しばらくして、叔母は勝手にしなさいとだけ言い残し、それ以上は迫ってきませんでした。
叔母が帰ったあと、母は何度も私に謝りました。私は、気にしないでとだけ返して、前を向いて座り直しました。
あの日、私は叔母に従いませんでした。母を責める気にも、なれませんでした。大人が作った借金の話と、私がこれから歩く道の話は、初めから別々のものだったからです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














