「今は誰も座ってないじゃん」荷物で席をふさいだ男性。声をかけても動かなかったのに、突然電話を始めた
窓側の空席をふさいでいた男性
先月、平日の昼に新幹線の自由席へ乗りました。
車内は満席ではなかったものの、窓側の席はほとんど埋まっていました。しばらく歩いて、ようやく空いている席を見つけたと思ったのですが、その3列シートだけ少し様子が違っていました。
真ん中の席には40代くらいの男性が座り、窓側にはリュック、通路側には上着と紙袋を置いていました。足も大きく開いたまま、目を閉じています。
私は窓側の席を指しながら、声をかけました。
「すみません、通してください」
男性のまぶたがわずかに動きました。しかし、荷物を動かす気配はありません。
聞こえなかったのかと思い、今度は少し声を大きくしました。
「あの、すみません。通してください」
それでも男性は目を閉じたままです。
これ以上声をかけるのも気まずくなり、私は一歩脇へよけました。
すると、その直後でした。
男性がぱっと目を開け、携帯電話を取り出したのです。
しかもスピーカーにしたまま、大きな声で話し始めました。
「もしもし?うん、今新幹線。今日はけっこう空いてるよ」
私は思わず男性のほうを見ました。ついさっきまで声をかけても反応がなかったのに、今度は何事もなかったように話しています。
電話の向こうの声まで車内に響き、前の席の女性も困ったように振り返っていました。
車掌さんが声をかけると
ちょうどそのとき、通路を車掌さんがやってきました。
座席に置かれた荷物と、大きな声で通話している男性に気づいたようで、その場で足を止めました。
「お客様、恐れ入ります。こちらのお荷物、座席から下ろしていただけますか」
男性は携帯電話を持ったまま、少し面倒そうに顔を上げました。
「え?」
「このあと座られる方もいらっしゃいますので、荷物棚か足元へお願いいたします」
男性は周囲を見回しました。
「今は誰も座ってないじゃん」
「そうですね。ただ、座席は空けておいていただけますか」
車掌さんは声を荒らげず、静かにそう伝えました。
男性は少し黙ったあと、「分かりましたよ」と小さく言い、窓側のリュックを持ち上げました。通路側の上着と紙袋もまとめます。
すると車掌さんが、携帯電話のほうへ目を向けました。
「それと恐れ入りますが、通話はデッキでお願いいたします」
「…はいはい」
男性は通話をいったん切ると、荷物を片づけ、携帯電話を持ってデッキへ出ていきました。
私はまだすぐ近くに立っていたので、車掌さんが空いた窓側の席を示してくれました。
「こちら、どうぞ」
「ありがとうございます」
ようやく窓側に座り、私はほっと息をつきました。
男性が本当に眠っていたのか、それとも声をかけられても動きたくなかったのかは分かりません。
ただ、2度声をかけても反応がなかった直後に、突然大きな声で電話を始めたことには驚きました。
空いているように見える席でも、荷物を置けば誰かが座れなくなります。車掌さんが感情的にならず、必要なことだけを一つずつ伝えていた姿も印象に残った出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














