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2026.08.29(Sat)

「天井から水が落ちてきているんです」水漏れに気づいた私。だが、上の階の男性を責めなかった理由

「天井から水が落ちてきているんです」水漏れに気づいた私。だが、上の階の男性を責めなかった理由

排水ホースを戻し忘れた朝

以前、古い団地の四階で暮らしていたころのことです。

その部屋には洗濯機の排水ホースをつなぐ専用の口がなく、洗濯するときはホースの先を風呂場まで伸ばしておく必要がありました。

ある朝、私はその作業を忘れたまま洗濯機を回してしまいました。

気づいたときには、洗濯機のまわりに水が広がっていました。慌てて拭いていると、玄関の呼び鈴が鳴りました。

真下の部屋の方でした。

「天井から水が落ちてきているんです」

私は血の気が引きました。

「すみません。すぐに行きます」

タオルを抱えて下の階へ行き、濡れた床を一緒に拭きました。

強く責められることはありませんでした。それでも、迷惑をかけてしまったことが申し訳なく、その日のうちに対策を考えました。

風呂場の近くにフックを取り付け、排水ホースを使わないときも目につく場所に掛けておくようにしたのです。それからは、同じ失敗をしなくなりました。

今度は、自分の天井から水が落ちてきた

しばらく経った日曜の朝でした。

部屋で過ごしていると、天井の隅から小さく水が落ちてきました。見上げると、天井の一部がじわじわと濡れています。

すぐに、上の階からの水だと思いました。

以前の自分の失敗が頭に浮かびます。

タオルを持って上の階へ行き、呼び鈴を押しました。出てきたのは、少し前に越してきた男性でした。

「すみません。うちの天井から水が落ちていて…洗濯機のあたり、大丈夫ですか」

男性は驚いた顔をして部屋の奥へ戻り、すぐにまた出てきました。

「排水のホースが外れていました。すみません」

ひどく慌てている様子を見て、私は以前の自分を思い出しました。

「うちも同じことをやりました。床を拭くの、手伝います」

男性は一瞬驚いたあと、「ありがとうございます」と頭を下げました。

二人で床の水を拭きながら、私は自分がしている対策について話しました。

「私は忘れないように、風呂場の近くにフックを付けたんです」

「それ、いいですね。自分もやってみます」

水を拭き終えてから自分の部屋へ戻ると、天井から落ちてくる水も止まっていました。

以前かけてもらった言葉を思い出した

もちろん、水漏れは困ります。自分が被害を受ける側になって、改めてそう思いました。

それでも、あのとき上の階の男性を強く責める気持ちにはなれませんでした。

以前、自分が同じ失敗をしたとき、真下の部屋の方は怒鳴ることなく、何が起きているのかを知らせてくれました。

そのときの対応を覚えていたからこそ、今度は私も落ち着いて声をかけられたのだと思います。

失敗した経験そのものは、できれば繰り返したくありません。ただ、自分が困らせた側だったことを覚えていたからこそ、相手が慌てている気持ちも少し分かったのでした。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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